君の魔法がとける瞬間(とき)


「なに〜?佑月ちゃん、もうお腹いっぱい??男の子なのにね〜」



里美さんは、碧空さんの前では私を男の子扱いしてくれるけど、呼び方は"ちゃん付け"のまま。




「はい、ちょっと…食欲なくて」



…というより、威圧感でご飯が喉を通らない…。



「そう?碧空は?おかわりするでしょ?」




「いらない」


不機嫌そうに答えて、碧空さんは席を立ってしまった。


私がいることで…碧空さん食欲ないのかな…



「碧空ったら。ごめんなさいね?不器用だから、人とうまく接することが苦手なのよ。勘弁してやって?」



「いえいえ…」


「あ!ご飯食べたらお風呂入ってらっしゃい!」



そう言って里美さんは、食器の片付けを始めた。






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