君の魔法がとける瞬間(とき)


「いや〜今日は楽しかったよね!俺らのカラオケがまさかテレビで役立つなんてね!」




撮影が無事終了し、今は帰りの車の中。

愛舞さんが興奮気味に話す。



「カラオケですか?」




「そう!俺らカラオケでいっつもあんな事やってるんだ!」



そうだったんだ。



だから、あんなに息ピッタリに…



でも、それは理由じゃないよね。




カラオケなんかなくたって、この人たちはきっと…
息ピッタリ歌えてた。





「でもお前マジ歌上手かったよ!ビックリだ!」




「愛舞さん、ありがとうございます。でも、そんな事ないですよ!」



「上手かったよ」


響さんも、陽斗さんも私の歌を褒めてくれた。



「でも、もうあんな失敗すんなよな」


碧空さんの一言で車内は静まる。



「すみません…」





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