暗殺者と姫の逃避行
「ここに場外への抜け道があるの。」
私はアランの世話になるのはなんだか嫌だった。
だから今まで何かの役に立つだろうと頭に叩き込んだ知識をフルに使う。
私は基本この城の人間を信用してないから。
例外は話し役でお付きのメイドくらい。
親には幼いころから人を騙すことが賢いやり方だと教えられてきた。
私は本能で親を拒んでいたのかも。
だから私は教え通りに生きてきた。
良い姫を演じながら裏では抜け道、使用人の経歴、毒や爆薬の知識の有無を徹底して調べ兵法を学んだ。
あのころは親の・・・、国の駒にはならないと誓っていたのに私は・・・。
腐った城と言う名の牢獄、姫と言う名の鎖が重すぎて諦めていた。
最近では駒に甘んじていた。
そんな私にあのころの光を取り戻してくれたのはアラン。
不思議ね、会ったばかりなのに。