暗殺者と姫の逃避行
「とりあえず脱走成功かしら。」
私の言葉に苦笑するアラン。
「お前にとっては脱走でも俺に取ったら誘拐何だがな・・・。」
アランの言葉に今度は私が苦笑する。
「あら、それなら私拉致されたのね。」
まだ知り合って1日も経たないのにこんな軽口が叩けるのもなんだか新鮮。
「これからは俺の敵やら国の追手やらで戦闘が増える。覚悟はいいか?」
そんなものアランの手を取ると決めた時から出来ているもの。
これは私の人生最大のギャンブル。
プレイヤーは私、カードが命と自由ならjokerはアラン。
「とっくに出来ているわ。」
だから私は敢えて狐の如く嫌らしく笑って見せる。
「上等だ。」
そう言って笑ったアランはライオンか狼のようだった。