言ノ葉。
唖然としている僕に、
お医者さんは続ける。


「何で倒れたか、教えてくれるかな」


頷いて一瞬、先生を見る。 先生は
まだじっとりと汗をかいていて、ハンカチで


ぽんぽんと額を拭いていた。


「児玉、先生も急いで来たから橋本達
になにも聞いてないんだ。 教科書の事が
本当なのかどうか、聞かせて欲しい」


橋本、は和希の事だよな。 そう思い、


息を吸い込んだ。 声出すつもりで。


誤解を解ける、そう思って。
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