言ノ葉。
「金沢ー・・こだ、あ、いや。
佐村ー・・」


僕はこの時間が嫌いだった。
返事をすることができない僕を


抜かしてくれるのは良いのだけれど。



先生が時々間違えて僕を呼びそうになる、
そのたびクラス全員がこちらを見る。


その空気に僕は消えてしまいそうになる。


何度かその衝動に襲われながらも、
無事に出欠確認は終わった。


「あー、と、児玉。 今日の
一時限目は、音楽だからな」


先生のその最後の一言に一瞬、
はやし立てるような高い声が

上がった。



< 5 / 26 >

この作品をシェア

pagetop