ゆびきり
梨由は、私に右手の小指を立て、差し出した。







「ゆびきりしよ。私は、必ず三年後に日本に戻ってくるから…」









笑顔だけど、目は真剣だった。








三年後、だいぶ先だけど、梨由との友達を繋げたい。








私は、梨由の小指に自分の小指を絡めた。








「ゆびきりげんまん、嘘ついたら針千本のーます、指切った!」









二人で歌いながら、元気よく小指を離した。








「約束だよ!日和」








「もちろん!友達だからね」











これが梨由との最初の出逢いだったね。







友達でも、運命の出逢いはあるんだと、初めて感じた瞬間だったよ。









三年後、再会のときに、まさか、あんなふうに運命が絡み合うなんて、思ってもいなかった。









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