ゆびきり
「ありがとう」







顔を上げると、梨由はまた涙で顔が濡れていた。







私は、急いで運転席に座り、詠士は梨由を支えるように後部座席に先に梨由を乗せ、隣に座った。








いろんな感情が入り乱れるけど、今はそんなこと気にしてはいけない。








私はなるべく、バックミラーに映る二人を見ないように運転をした。








このとき、







私は知らなかったけど







詠士はずっと、梨由の手を握りしめていた。







昔のように、また詠士は梨由を支える存在に戻っているようで、早く解決させて、2人を離したい。そんな思いもあった。












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