ゆびきり
総合病院についた私たちは、梨由を先頭に詩織ちゃんがいる病棟へ向かった。







そこにつくと、マネージャーの姿と光哉がいた。







「ごめん、待たせちゃって…」







梨由の姿を見ると、光哉が近寄ってきた。







「ああ、ちゃんと会えたんだな」







そういって、チラッと私と詠士に目線を送る。







私は軽く会釈をしたが、詠士はまっすぐ前を見ていた。







「詩織の容態は?」







不安そうに梨由は、光哉に聞く。







「やっと落ち着いて、今は麻酔で眠っているよ」








光哉は安心させるように、微笑んで言った。








「よかったぁ…」







梨由は安心して、力が抜けたように、その場に泣き崩れた。







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