ゆびきり
「いいの?ちゃんと話し合わなくて」








光哉は少し呆れながらきいた。







「話したくないなら仕方ないわよ。だって、今さらそんなこと言っても…ね?」








梨由も曖昧に笑みを作って言った。








「まあね、突然自分に子供がいたなんて、すぐには受け入れられないか」








光哉には全てを話していた。もちろん、旦那だって、自分の子じゃないことを知っている。








だからこそ、無関心。








そんな人に詩織の心配をされたくなかったし、あまり梨由たちの生活を知ってほしくなかった。









「まあ、今日は帰ろう」








「うん…」









光哉は梨由の肩を抱き、駐車場へ向かった。









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