ゆびきり
−−−

ああ、なんてつまらない世界


ああ、なんて退屈な世界

あんたがいなくなった


人ゴミを歩いても


何も感じない


早くここから連れ出してくれ


−−−







前向きな詩しかみたことのない私に、衝撃が走った。






彼の独創的な詩に、魅せられてしまった。







「なんか、気に入ったのあった?」







人懐っこく、話しかけてくる彼。







あまり男の人と話せない私は、緊張してどう話したらいいかわからなかった。








「あ…、これとか…」








私は、始めに目がいったものを指差した。








すると、男は嬉しそうな顔をした。








「おっ!お姉さん目がいいね。それ、俺のデビュー作」







自慢気に話す彼が、幼く見えて可愛かった。









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