ゆびきり
私は、恥ずかしくなりながらも、なんとか話をした。








「ちょ…、そんなに笑わなくてもいいじゃない…気遣う心はないんですか」







私は、ふてくされて言った。







「ごめんごめん、大丈夫?しりもちつく子なんて滅多にみないからさ、可愛くて」








可愛くてって







今度は、違う意味で顔が赤くなる。








「まあ、そんな怒るなって、俺は詠士。君は?」








私も、気を取り直し、冷静に答えた。








「日和です、高嶋日和」







目をそらしながら言った私に、詠士は懐かしい言葉を発した。








「日和?お天気日和の日和だよな」







その言葉を聞いて、私は、ハッとして詠士の顔を見た。








梨由が初めて、私の名を聞いたときと同じ台詞。








「そうだよ、日に和むって書いて日和」








なんだろう、不思議な気持ちになる。








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