ゆびきり
そんな心配をよそに、詠士は笑って返してくれた。






「日和、厳しいね〜。毒舌キャラだ。てか、働いてるんだね、大学生かと思った」







こんなふうに返してくれる詠士に、優しさを感じた。







他の子にも、こうやって話しているのかな。







「初めて言われたわよ、毒舌キャラなんて。大学は学びたいことがないのに、行く意味ないじゃない。詠士はいってるの?」






自然と釣られて笑みが溢れる。







「まさか、勉強大っ嫌い。詩を売りながら昼間は適当にバイトだよ」







ようは、フリーターか。
見た目通りだな。





「また、きてよ。いつでもここで詩を書いてるから」





「いつでもって…、毎日来ちゃうかもよ?」







こんな言い方、無理矢理、会話繋げてることバレちゃうよね。






もっと、男の人とも自然に話せるようになりたい。







どうしたら、みんなみたいに、緊張しないで話せるのかな。会話を上手く繋げる術が欲しいよ。






「本当に?じゃあ約束だよ」






詠士はそういって、私に右手の小指をつき出した。








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