ゆびきり
夕暮れになり、私たちは歩きながらのんびり帰っていた。





今日一日一緒にいて、やっぱり詠士といると安心する。楽しくて、他愛のない会話もたくさん笑い合って、このままずっと、一緒にれたらいいのにな。







「ねえ、詠士。私たちちゃんと付き合ってみようよ」






私の言葉に、詠士は歩みをとめ、戸惑った表情を浮かべていた。







分かってるよ。こんな言葉、詠士は一番言われたくないこと、でも、いうならこのタイミングしかないと思った。







「やっぱりね、詠士に初めて会った時好きって言ったけど、変わらないの」






詠士は戸惑いながらも、観念したように私と向き合い顔をみてくれた。






「そっか…」





そういうと、詠士は困ったようにはにかむ。





困った顔、本当は私も見たくはない。






でも、避けては通れない。




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