ゆびきり
十一章 強くなる
あれから数日たち、いつもの日々に逆戻りしていた。
その中でも、梨由のほうは着々と動いていた。
その日は仕事終わりに、梨由が社長室へ訪れた。
「お前が一人でくるのは、珍しいな」
そこにいたのは、政康だった。
梨由の旦那、夫婦でありながらこうして二人で顔を合わせるのは何日ぶりだろう。
いつも、仕事の話しでしか会いに行かない。
「今日は、プライベートの話よ」
書類に目を通していた政康の目が、梨由に向く。
「なんだ?また詩織に何かあったか?」
政康は詩織に対して全く愛情を感じられなかった。自分の子でないことを知っていながら、結婚したくせに、副社長の座を手に入れたら、家族を顧みないそんな奴だ。
その中でも、梨由のほうは着々と動いていた。
その日は仕事終わりに、梨由が社長室へ訪れた。
「お前が一人でくるのは、珍しいな」
そこにいたのは、政康だった。
梨由の旦那、夫婦でありながらこうして二人で顔を合わせるのは何日ぶりだろう。
いつも、仕事の話しでしか会いに行かない。
「今日は、プライベートの話よ」
書類に目を通していた政康の目が、梨由に向く。
「なんだ?また詩織に何かあったか?」
政康は詩織に対して全く愛情を感じられなかった。自分の子でないことを知っていながら、結婚したくせに、副社長の座を手に入れたら、家族を顧みないそんな奴だ。