ゆびきり
「っはははは…。ま抜けな顔、強がらなくてもいいのに、まあさ、失恋はつらいけどお前がした事は、カッコイイって思ったよ」






「真斗…」






笑っていた真斗は、今度は真剣な眼差しに変わった。





「日和は独りじゃない。すぐじゃなくても、いつかさ、心にゆとりが出来たら…」






そこで、真斗は言葉を詰まらせる。





「ゆとりが出来たら?何?」





そう尋ねる私に、やけくそに私の頭をぐしゃぐしゃにしながら、





「俺を選んでみるって選択肢もありじゃねーの?」





真斗を選ぶ選択肢?





「それって、もしかして…」





「あー、今は何も言うな!考えるな!家まで送るから」






真斗は私から視線を外して手を引いて家まで送ってくれた。





思いもよらなかった告白?




握る手の温もりくらい、心が温まるのを感じた。





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