ゆびきり
「彼女さんと、ラブラブだったね」






私は、苛立ちのせいか、言わなくてもいいことを発してしまった。






どうして、こんな墓穴ほることしてしまうんだろう。






自分の言動に後悔した。







「あれ?なんか、日和怒ってる?」






茶化すように聞いてくる詠士に、怒りが爆発してしまいそうだ。







「もしかして、嫉妬?昨日初めて会ったのに、いきなり恋されちゃったの?俺…」







もう、我慢できない。






冗談でも、私にとっては事実で、バカにしたようにされたくない。








悔しくて、泣きながら、私は、詠士にキレた。







「ああ、そうよ!昨日初めて会ったのに、もうあんたを好きになりました!悪かったわね。
だけど、そんなにバカにしなくてもいいじゃない!彼女いるから、諦めなきゃいけないことくらいわかってるわよ…」







キレた私に、関係ない通行人やストリートの人達が、一斉に私を見た。







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