ゆびきり
詠士は、言いにくそうに、答える。







「何もしてねぇよ。ただ、からかったら泣き叫ぶから、面倒くさいから連れてきただけ」







何それ、何も反省してないじゃない。







「どうしてそんな言い方しかできないの?だいたい…」







「あー、うるせーな。倫子、とりあえず、こいつにカクテルでものませてくれよ」






詠士は、私の言葉を遮るように言った。







私は、詠士を睨んだあと、下をむいて黙った。でも、詠士もやっぱりまだ19歳。お酒なんて呑んじゃだめじゃない。







「まだ、未成年でしょ?お酒なんて」



「ここにはノンアルコールしかおいてませーん」





詠士は、私の言葉を遮るように反論してきた。





そうか、だから夜カフェなのか。
納得すると、なんだか恥ずかしくなり俯いた。







「ごめんね、日和ちゃん。詠士いつも口が悪くて、天の邪鬼なのよ」






倫子は詠士のこと、よく知ってるんだな。






会って2日しか会っていない私なんかが、羨ましがっても仕方ないけど、
私も、詠士のこと、こんなふうに解ってあげれることできるのかな。








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