ゆびきり
「詠士がいないのに、あんまり個人情報流しちゃダメよ」







倫子は、厳しい目で真斗を見ていった。







「あっ…ごめん…」







真斗は口を閉ざし、俯いた。







「なんか、私もごめんなさい…」








興味で人の過去を聞くのはよくないよね、反省している私を見て、倫子は小さく笑った。







なんだか、詠士の心の闇は深いことを知った。






普段は明るく、軽い男なのに、どこか、冷たく、心を持たない。






倫子や真斗は詠士を理解し、詠士も心を開いている。






追い付けない、絆に私は、虚無感に包まれた。







「うぃっす」







突然、詠士が現れた。






私は、驚きテーブルのカクテルを倒してしまった。







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