ゆびきり
そんな重い空気の中、たまたまついていたテレビで、懐かしいあの人が現れた。








『でわ、来日されたMISAさん、ギターの光哉さん、キーボードの梨由さんに話しを聞きましょう…』







その瞬間、みんながテレビに注目した。







「梨由だ」







私は、嬉しくなり、笑顔でテレビの梨由を見ていた。







その空気が、はりつめていたことを気づくこともできずに…







「お前、コレ好きなの?」







詠士は、機嫌悪い言い方で、私に尋ねた。






私は、それにも気づかず、素直に答える。







「好きだよ。梨由が書く歌詞が特に!それに、三年前、梨由路上で詩売っててさ、その最後のお客さんが私だったの。凄いでしょ?」







私は、自慢気に話した。







「あ、会ったことあるの?」







倫子がぎこちなく言う。







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