ゆびきり
なんだろう、ようやく、みんなの様子がおかしいことに気づく。






「うん、あるよ?みんなどうしたの?」







私が不思議に思うと、倫子と真斗は誤魔化すように、「なんでもない」と、笑顔でいった。







一方、詠士は、相変わらず無言で黙っている。







どうして?







絶対、なんでもなくないはずなのに…







なんだか、私だけ知らない。三人の溝を感じた。







やっぱり、自分はまだ、仲間になりきれていないのだろうか。







「別に、隠さなくていいんじゃねーの?」







詠士は、冷酷に呟く。






それに、倫子と真斗は、俯いた。







詠士は、私に向き合い、冷たく微笑んだ。







「梨由は…」






いいかけたとき、突然、店に誰か訪れた。









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