ゆびきり
「お天気日和が一番だよ、キラキラ輝いててさ…曇り顔は似合わない」








満面の笑みで言う梨由、でも、どこか悲しい陰りが見える。








「不思議な子だね…、詩書いてるの?」








梨由の前には、便箋で書かれた詩がいくつも並べてあった。









「そうだよ。あっ!日和にも書いてあげるよ」










出逢ったばかりなのに、呼び捨てされるのは初めてだ。









あまり、そういうのは好きではないが、何故か梨由から言われても嫌な気分にはならなかった。









「本当に?嬉しい」









梨由の笑顔につられて、私も少し笑顔になれた。









「やっぱり、笑顔可愛いよ。日和」









梨由は、鞄からレターセットとカラーペンを取りだし、書き始めた。








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