ゆびきり
今でも、俺は龍が書いた詩を持っている。







「悔しいけど、最低な男だけど、憧れる…」







詠士は遠くを見つめながら呟いた。







遠い過去の記憶を脳裏に映している。私の知らない世界を、見ているんだ。







「今の俺みたいに、いろんな女に貢がせて、転々としているのに、自分の意志が強い。

男なのに、違う意味で惹かれる…こんな俺がだよ?」






なんとなく、話しは分かる。







その龍を梨由は、愛していたのだろう。







詠士の話しは続く…









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