ゆびきり
その日から、詠士と真斗は龍のところへ通うようになった。







そして、いつしか真斗と倫子の父が持っているビルの地下、リースを貸してもらえることになり、たまり場になっていった。





まだお店としてはオープンしておらず、今の配置に自分たちで椅子を用意して屯していたらしい。








その半年後、突然、龍が梨由を連れてきたらしい。







場違いに明るい、ルーズソックスをはいた女子高生を…









「今日はここまで!」







しんみりとした雰囲気を、詠士は自分で明るく切り替えた。







「おしまいって…大切なとこ話してくれてないのに」







私がふてくされていると、詠士は構うことなく、右手を出してきた。






「合鍵ちょうだい」







はいっ…?







詠士の突然の言葉が理解できない…







合鍵って?!







「あ…あい、かぎ?」







驚き過ぎて言葉がどもってしまった。








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