ゆびきり
それでも、詠士は笑顔で言葉を続けた。







「決めた、俺、ここで一緒に住むわ」







「はい?!」







突然過ぎる詠士の言葉に、あっけらかんとしてしまう。






そりゃ、一緒に住みたいけど、仮にも男女だよ?
初めてあった時、告白したことなかったことにされているのだろうか。






どれだけ、私は、詠士の中で女と見てもらえていないんだろう…







「いいじゃん、まだ部屋あるだろ?布団は明日買いに行こーぜ」






無邪気な詠士の笑顔をみると、否定もできない。







でも、びっくりはするけど、嬉しい気持ちのほうが強い。







「い、いいけど…明日は水族館休みだし」







「俺もさ、そろそろ固定の住むところ欲しくてさ。もちろん、家賃半分払うよ」








それなら、尚更ありがたい。







詠士もずっと一緒にいて、家賃も半額になるなんて、一石二鳥だ。







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