ゆびきり
とりあえず、私は、真斗の隣に座り、荷物を隣の座席にのせた。








「詠士がいいだしたの?」






倫子も開いた口がふさがらない様子だ。







「うん、私だってよくわからないよ。少しだけ昔の話を聞いたら、急に住むとかいいはじめて…」







「あいつが固定の女にとどまるなんて…」







真斗は信じられない様子で、私の顔をまじまじと見つめた。







「楽なんじゃない?別に、女として見られてる気もしないし」







私は、少しいじけたように話した。







「ああ、そうゆうこと?」







真斗は私の言葉を納得するように相づちを打つ。そんなあっさり認められたら虚しくなる。








「どういう意味よ?」







私は、怒り口調で言い返した。







「いや、深い意味はねーよ」







真斗は逃げるように視線を外して、笑った。








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