ゆびきり
「いつが誕生日なの?」







私が尋ねると満面の笑みを浮かべて、




「11月11日、覚えやすいだろ?」



と、ピースしながら言った。








子供っぽくて、可愛い笑顔にドキッとしてしまう。






「11日って10日後だね。じゃあ仕事有休もらっとくよ」







恥ずかしくて、目をそらしながら言った。







「じゃあ、私も料理頑張らなきゃ」







倫子も気合いが入るようだ。






「姉ちゃんは調理師免許もあるから、上手いんだよ。日和も期待しとけ?」







真斗は自慢げに話した。







この姉弟は仲がいい。







一人っ子の私には、羨ましい理想の兄弟だ。








「そうなんだ、じゃあ私も教えてもらいたいし、手伝いたい」







「大歓迎よ。楽しくなりそうね」







詠士の誕生日会







プレゼントは何買おう?








自然とそんなことを考えていた。








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