ゆびきり
そんなある日、仕事中に深く帽子を被った母と、無邪気な笑顔の娘を連れた親子が訪れた。








「いらっしゃいませ」







私は、変わらずに接客をする。








「あれ?日和?」







どこかで聞いたことある声…








母親の方が帽子をあげて、だてメガネを少しずらした。








「梨由!?」







私は、驚いて素になってしまった。







「やほぉ☆まさか日和が受付嬢なんて、ラッキー♪」







梨由は嬉しそうに満面の笑みを浮かべて言った。








「私もビックリしたよ!もしかして、娘さん?」







私は、チラッと娘さんを見た。








「そうよ、詩織です」








梨由は愛しそうに、娘を見ながら紹介した。







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