ゆびきり
車に乗り込むと、梨由は適当に車を走らせた。
「ずっと、日和とゆっくり話がしたくてさ、でも、リースにまた行ったら、空気悪くさせちゃうと思って…」
前を見ながら言う梨由を見つめると、口元は笑っているが、瞳は寂しそうだった。
プライベートで会ったのは、まだリースでしかなかった。
あの日は私、詠士に連れられて、先に帰ってしまった。
あの時の出来事が、私にとってはとても嬉しいことで終わってしまっていたけど、残された倫子と真斗、そして、詠士に冷たい態度をとられ、傷ついた梨由を放っておいてしまった。
「ああ、あの日…あの後、倫子と真斗とは話せた?」
何となく、思い出すと気まずく感じて、言葉が詰まる。
「二人とはね、優しいし、心配も今でもしてくれてたよ。それに、詠士が怒るのも無理ないし。言ってたこと、正論だからさ」
なんだろう、また、胸が締め付けられる。
梨由の口から詠士の名前がでると、私の大人しくしていた嫉妬心がうずきだすんだ。
「ずっと、日和とゆっくり話がしたくてさ、でも、リースにまた行ったら、空気悪くさせちゃうと思って…」
前を見ながら言う梨由を見つめると、口元は笑っているが、瞳は寂しそうだった。
プライベートで会ったのは、まだリースでしかなかった。
あの日は私、詠士に連れられて、先に帰ってしまった。
あの時の出来事が、私にとってはとても嬉しいことで終わってしまっていたけど、残された倫子と真斗、そして、詠士に冷たい態度をとられ、傷ついた梨由を放っておいてしまった。
「ああ、あの日…あの後、倫子と真斗とは話せた?」
何となく、思い出すと気まずく感じて、言葉が詰まる。
「二人とはね、優しいし、心配も今でもしてくれてたよ。それに、詠士が怒るのも無理ないし。言ってたこと、正論だからさ」
なんだろう、また、胸が締め付けられる。
梨由の口から詠士の名前がでると、私の大人しくしていた嫉妬心がうずきだすんだ。