ゆびきり
でも、梨由が好きなのは龍のはず、人の過去に踏み込むのはいいきはしないけど、聞いてみたい。







「倫子に、写真見せてもらったよ。龍さん…のことも…」








龍の名前を出すことに緊張してしまった。







梨由は、ハッと私の顔を見た。








とても、動揺しているようだ。








「び…びっくりしちゃったよ。日和から…てか…久しぶりに、龍の名前聞くし…」








梨由は路肩に車を停めた。







梨由の心が乱れているようだ、車を停めてからも、茫然と前を見つめていた。







悪いこと言っちゃったかな…








安易に、梨由の過去に踏み入れてしまったことを後悔した。




私は、先輩の話題を出されても、ここまで動揺することはない。



動揺するってことは、梨由はまだ龍さんを過去にできていないからなのだろうか。








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