ゆびきり
謝ろう、





そう思って、話しかけようとすると、先に梨由が言葉を発した。







「ははっ…ごめんね。なんか、動揺しちゃった」







平常心を取り戻そうと、梨由は笑顔を作り、私を安心させようとしてくれる。







「ごめんね、私もちゃんと考えてしゃべるべきだった…」








「ぜーんぜん、日和は悪くないよ。私が過去に、まだ囚われすぎてるだけ…」








梨由は切なく笑った。







この表情、三年前にも見た。








幸せを諦めたと、話した顔と同じだ。








「龍は私の初恋…というか、初めてあんなに誰かを愛したと想える相手。叶わない恋になっちゃったけど、あの頃の経験が、私に詩を書く才能を与えてくれたと思うから」







「梨由の切ない歌詞は、やっぱり龍への思いなんだね」





私が言うと、梨由は小さくうなづいた。










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