小鬼のハミング
「何が可笑しいの?」と少し怒った顔でアユミが洋介に問い詰めた。
153センチほどの小柄なアユミが172センチの洋介を下から見上げる格好となった。
まだ幼さの残る丸い顔に大きい目、少し低い鼻(本人も気にしているらしい)怒った表情に洋介はドキッとして一瞬固まる。
「ごめん、何となくね」と顔を赤くして洋介は答えた。
その間、ほったらかしにされていた小鬼は軽くステップを踏んで踊っていた。
どうも二人の気を引こうとしていたらしい。