甘くない苺
電話から5分もしないうちに男の人がきた。



「かなこッ!お前なぁー…」


女の人はかなこと言うらしい。



「諒ちゃん!この子がさっき電話で言った子。ちゃんと送ってね。頼んだよ。」


ばいばいと言いながら笑顔で手を振り、ホームに入って行くかなこに、手を振り返した。



「すいませんね。うちの奥さん、ちょっとアホなんすよ。」



言葉とは裏腹に、諒は愛しそうな顔でかなこの後を見つめていた。



「いいですね…」



寂しそうな顔をしながら、同じようににかなこの後を見つめた。
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