ねえ、好き
「里奈さあ」
「、」
あたしの肩がぴく、と反応したけど、
知らないもん、琉多なんて無視だよ。
「いま、何時かわかってる?」
いまは。
夜の、12時ちかく。
「バイト、長引いたんでしょ?」
「……」
そう。
普段は10時には終わるはずが、きょうは11時すぎまでかかった。
「それなのに、帰らないで俺んちきたの?」
「だって、」
「だって、なに?」
「バイトの後は、ひまだから…」
「バイト終わったらさっさと帰って寝なさい」
「……」
なにも言い返せず、俯く。
「ひまなら、お友達に電話しながら帰るとか、なんかあるでしょ」
「……」
「わざわざ反対方向の俺んちまで来なくても、電話すれば、でるよ?俺」
「…迷惑、だったのはわかってるけど」
「迷惑なんかじゃない」
「…?」
琉多の顔を見ると、真剣な表情をしていた。