エリートな彼は溺愛を隠さない
…地味な女だな、全く。

あまり話しもしないし、容姿もいまいち垢抜けない。

顔は…、大きな眼鏡であまり印象にない。

同期の中でもまともに仕事以外の話をした事がないのは彼女だけだろう。

飲み会や打ち上げに参加しているのを見た事もない。

まあ、…関係ないか。

俺は俺で、気軽で容易い女と仲良くしていればいいのだから。

「おーい、夏哉。
終わった?行くぞ~」

俺を呼ぶ声ではっとする。

「おうっ」

慌てて彼女から視線を外すと俺は小走りに出口へと向かった。




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