エリートな彼は溺愛を隠さない
……「重森部長、あちらで中野部長がお呼びですよ。城田さんは僕がお相手しますから」

真横で聞こえた声に私はガバッと顔を上げた。

夏哉!?

…あ。村尾係長…。

「ああ?中野が?なんだよー。じゃ、城田。
飲み過ぎんなよ~」

部長の手が離れると肩がフッと軽くなって、その代わりに私の隣には上品で紳士的な村尾係長が座った。

「いやあ、間に合って良かった。あと五分遅かったら君はセクハラに合ってたね」

「え」

驚いて係長を見上げる。

「え、知らなかったの?重森さんはお酒が入るとあちこち触るんだよ」

し…知らなかった…。

あ…、お礼…。

「あ、ありがとうございます」



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