エリートな彼は溺愛を隠さない
普通に変わる覚悟
俺は一人、ホテルを出てふと空を見上げた。

星…。

都会のネオンの靄の隅に微かに光る小さな輝き。

…へえ、こんなところからも見えるなんて、初めて知った。

地上に視線を戻すと疲れた表情で行き交う沢山の人達。

一体この中の何人の人が空に輝く星に気付くのだろう。

…まるで、あの星は俺みたいだ。
本当の自分に誰にも気付いてもらえない。

そんな事を考えながら、トボトボと歩き出す。



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