エリートな彼は溺愛を隠さない
「え、そんな、でも」

躊躇いながら答える彼女の態度にまたしても不安が俺の心に入り込んでくる。

そうする、と言え。
俺と二人になりたいと。

「俺、車で来てるから」

「え、だってお酒…」

「飲んでない。綾芽を監視してたから」

「だけど…」

うん、と言わない彼女の返事に俺のもどかしさは限界まできていた。

先ほどの村尾の、俺をバカにしたような笑顔が頭に浮かんで俺の胸を締めてくる。


「ね、行こう?俺の家」

「………」


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