姫×四季(仮)

「はぁ…そうですか」



せっかく紹介してもらったけど。

たぶんもう会わないだろうしな…




それよりアタシは
家を探さないと。



「道端で眠っていた所を助けて頂いて、ありがとうございました。じゃあアタシはこの辺で」


「ちょっと待って?お酒くさいから、日中は出歩かない方がいいと思うよ?それにその服装も…」



笠原晄耶
有り難い忠告だけど
そんな事を言ってる場合じゃないの。

今日の寝床を必死に探さないと
このままじゃ本当にホームレス決定なんだから。



だけどまぁ
確かに酒くさいとマズイか…
不動産屋もビックリだ。



「マスク貸してくださいッ」



我ながら良い考え。
多少でも匂いを防止出来る。
…気がする。



「…いいけど」



笠原晄耶は呆れた表情をし
1度部屋を出る。

しばらくすると
数枚のマスクを持って
戻ってきた。



さっそくマスクを3枚ほど重ね
彼らに頭を下げて部屋を出た。






「あの子…どこ行くのかな?」


「さぁ?」


「止めなくていい?」


「…」



2人の会話なんて耳に入らず
アタシは仕事着のドレスのまま
不動産屋を巡る。






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