姫×四季(仮)
「二日酔いだけじゃないよ?熱もあるからね」
熱…?
あ〜。そういえば…
矢神もそんな事言ってたっけ。
「だからか…。どおりでダルい訳だ…」
「え、何?まさか熱があった事に気付いてなかった?」
なんですか。
悪いですか。
「ほとんど風邪なんてひいた事なかったので」
「それもまた珍しいね…」
え。悪かったですね。
「なんにしても、まだ寝てた方がいいよ」
「大丈夫です。問題ないです。失礼します」
止める笠原に小さくペコッと頭を下げ、部屋を出ていく。
今日こそ家を探さないといけないから。
ご飯抜きの大量飲酒は
もうイヤだしね。
『熱が何だ!そんな事で負けてどうするッ』
そんな微かな抵抗をしながら
ズンズンと廊下を進んだ。
と。
ちょうど階段に差し掛かった時。
「素直に寝てりゃいいじゃん」
すぐ後ろから声を掛けられ
振り返ると
立っていたのは矢神陽星。
いつの間に
後ろにいたんだろうか。
「ありがとうございます。でも、もう大丈夫なので」
「ふーん」
矢神は不適な笑みを浮かべながら徐々に近付いてくるではないか。