姫×四季(仮)

こういう日にホスト街を彷徨えばだいたいミンナ餌食になる。

そしてアタシも
獲物に見えるんだろう。



「ねぇ、そこの美人さん」



黒いスーツのイケメンホスト2人が、こんな子供を狙ってきた。



「クリスマスに1人は寂しいでしょ?俺らと楽しもうよ」



『遊ぶくらいなら、1人で寂しい思いしてる方がマシだよ』

そう断る間もなく
今度は別のホストが現れる。



「ウチのお店においでよ。朝まで呑も?」


「こっち来なって」



なぜが徐々に
違う店のホスト達まで集まり始める。


なんなの?

アタシって
そんなにお金持ってる様に見えるの?

それとも
騙されやすそうな顔してる?

カモには持ってこいってか?


失礼な。



「しつこい。興味ない。どいて」



なんとも淡々に断りながら
足早に逃げる。


だけど、さすがホスト。



「いいじゃん、おいでよ!絶対後悔させないからッ」



いやいや
もうすでにホスト街を通った事に後悔してますからね。


お金持ってる客なら
他にイッパイいるから。
もっとよく捜しなって。


そろそろ本音が出てきそうな
そんな時…。




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