姫×四季(仮)

アタシのまわりから
一気に人がいなくなる。

白スーツのイケメンホストを除いては。

アンタは行かないのかい。



「助けてくれてありがとうございます。アタシ急いでるんで。じゃッ」



この人だってホストに変わりないんだし、関わったら面倒。

こういう人に限って
意外に怖いんだよね。
何企んでるかわかんないし。


だから
逃げるまで。

全力疾走し
気を取り直して目的のキャバクラへと向かう。




***


アタシが目につけたのは
この辺りじゃ少し有名どころの
"tear heaven"
というお店。
時給等の条件に惹かれたの。



「働きたい?ここで?」



店から
濃いめの化粧に真っ赤なマーメイドドレスを着た、20代くらいの綺麗なキャバ嬢が現れた。



「はい。未成年なんですけど…いいですか?」



取り合えず
求人には『18歳〜OK』と記載されてるし、年齢を偽ってもバレるから、白状せざるを得ない。


するとキャバ嬢さん
『ふ〜ん』とアタシを上から下まで品定め。


しばらくすると
『入って』と中に通された。


奥の部屋へと連れて行かれ
あれやこれやと質問責め。



「未成年って言ってたけど、ちなみに18以上?」


「はい。18です」





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