私と彼の秘密の契約
「つまり、朝から今までに山田君に人を恨むほどの事があったってこと?」

塗師君は私をちらっと見て、ふっと小さく息を吐く。


「お前、本当に鈍いな。まぁ、基本的にはそういう事であってるあってる。」


はいはい。って軽くあしらわれる。

何よー。
どういう事?


「ほら、着いたぞ。じゃな。」

いつの間にか私の家の前に着いていた。
まだ聞きたい事、沢山あるのに、もう家着いちゃったのかぁ。


「また明日ね。」


って私が応えた時にはもう、塗師君は私に背を向けていた。






「おはよ。」

「おはよう!美咲!今日も朝練行くよー!!」


「はいはい。」



朝から元気だなぁ。

「ドッヂは絶対優勝するぜ!」

大地が麻美とそんなやりとりをしている。


「バレーだっていい感じだよ!ね、美咲。」


「うん、そうだね。」


私が足をひっぱらなきゃ勝てると思う。

メンバーは予め補欠を考慮して、多めに設定されている。
私は補欠要因にしてもらうよう麻美に話そう。


経験者は現役運動部の子達がでた方がいいに決まってるもん。
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