私と彼の秘密の契約
「浮かない顔してんな。」

心配してくれてるの?

ちらっと塗師君の顔みたら、やっぱり意地悪顔してる。


「私にとっては深刻な問題なのっ!」


「嫌なら嫌って、朝倉さんに言えばいいだろ。」

そんな簡単に言えるならとっくに言ってる。


「それが言えたらこんなに悩まないよ。」

「ふぅん。あんまり流されてばっかだと疲れるぞ?」


どきっとする。
そう、私が流されやすいのが悪いんだ。

だって、麻美があんな風に嬉しそうに作戦たてて……私だけ嫌だなんて言えないよ。


でも、正直スポーツには自信がないし。
私が出る事によってみんなに迷惑掛けたくない。

私が足をひっぱってるの一目瞭然だもん。

「ま、そんな気負わなくていいんじゃね。楽しめよ。」


「うん。そだね。」


いいなぁ。
そんな考え方ができて。
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