私と彼の秘密の契約
「うん。考えておくよ。」

どうやら大地とは、放課後に部活見学に行くという約束をしたらしい。


そうこうしているうちに一時間目の授業が始まった。





―――――
―――





今日は麻美の部活があるので私は放課後、図書館へ寄って帰る。


放課後の図書館は、結構人が居て、本を読む人、勉強する人、みんな思い思いに過ごしている。


「あ……」


私の視線は窓際の席に釘付け。
たまにその席には私の憧れの人が座ってる。

ううん。座ってると言うよりは寝てる。


部活の前の僅かな時間。
本当にごくまれに、祐先輩が寝てる時がある。


私は本を選ぶと、祐先輩が見える位置に座る。



本を開くけど、祐先輩の居る日は全然内容が頭に入らない。


でも、私が祐先輩を見てる事、誰にも知られたくないから、本の真ん中あたりを凝視する。


あ、起きた。

もう行っちゃうんだ。




本当にちょっぴりの時間だけでも、祐先輩に会えた事が嬉しい。


私は、改めて読書に集中する。



どれくらいの時間、図書館に居ただろうか。
気が付くと外は暗くなり始めていた。

それそろ帰ろう。



本を戻そうと立ち上がる。

窓から外を見ると、校庭ではまだ野球部やサッカー部が部活をしていて、明かりが着いている。


先輩がボールを蹴る姿が見える。

かっこいいなぁ。

ぼんやりと祐先輩を眺める。

早く帰らなくちゃって思ってるのに、もっと見て居たいって気持ちに勝てない。



あれ?
暗くて気づかなかったけど、校庭の隅。

ほんのりと光って見える。
人?
まさか!
幽霊?!!
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