G線上のアリア《キミを抱きしめたい》
そう言って、あたしの頭をさするようにポンポンと叩く。


「そ…そんなこと聞いてないし!」


そんな言葉、よく恥ずかしげもなく言えたもんだわ。


「まぁまぁ。
恥ずかしがるなよ。」


「は…恥ずかしがってないし!」


その言葉とは裏腹に、顔が赤くなるのが自分でもわかる。


「…ッ」


いつの間にか、朝日の顔は目の前にあって。

唇がふさがれる。

と、思ったら、もう唇は涼しくて。


「ごめん。
もう帰んなきゃ。
一人で…帰れる?」


「うん。」


そう言うと、朝日は「ごめん。」ともう一度、誤って帰っていった。
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