噛んじゃった【BL】
とにかくどうにか呼吸が出来るように。
俺が努力しても出来るのはそれ位だ。
変わらずに歯を避けながら、
必死に呼吸をしようとしていると
ふいに彼の舌が、俺のそれに触れた。
しかも舐める。というより、
押し付ける。抉る。
そんな風な勢いだ。
ぐ、と籠められた力に、
感じるものは痛みだけ。
そしてその痛みで、思わず……。
がり。と、
もしかすると自分よりも強く……。
俺の歯が彼の舌に食い込んだ。
口の中に嫌な味が広がり、
改めて起こった事を思い知らせる。
……噛んじゃった。