一途な想い~to LOVE~
「尋斗くん! もー放課後だよ」
居眠りしていた俺を、杏奈が起こした。
「あ
もぉ?」
まだ起きたばっかりの俺は、寝ぼけながら立ち上がった。
「そーだよー! 寝ぼけてないでよ。
今日は大事な相談なんだからー」
「……。
…おっまえ、いつもそー言ってんじゃん!」
俺はわざと元気に笑ってみせる。
だって、俺の気持ちがバレたりしたらヤバい。
「あれ?そうだっけ。
まぁいいや。とにかく、今日はいつもより大事なの!」
「…ふーん」
だからなんだよ。
大事な相談?
それがなんだってんだよ。
大事な相談だからどうしたんだよ。
人の気持ちも知らないくせに
人を相談役にしやがって。
いろんなことを
思えば思うほど
怒りがこみ上げてくる。
なぁ…
俺ってさ
こんなに杏奈のこと
好きだったっけ…?