わんことにゃんこの愛し方



きょとんとする奏を余所に、

私はもう一度荷台にまたがった。

……奏とは背中合わせで。



「…え、なんで後ろ向き?」

「……たまにはね。」

後ろ向きに座ったって、荷台をきちんと持っていれば危なくはない。

その証拠に、昔は奏のお兄ちゃんとそうやってよく遊びに連れていってもらったけど、一度も落ちたことはない。

(謙斗は『えー、理桜にぎゅってしてもらわないと進めない〜』なんてキモいこと言ってて、後ろ向きに乗せられたことはない)


まぁ、ただたんに後ろ向きはいつもと違うから楽しいっていうのもあるけど…


とりあえず、こんなにあっつくなった顔は見られたくなかった。




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