わんことにゃんこの愛し方
和解と誤解
「あのさ、ごめんな?」
背中越しに聞こえた声に、理桜は意味が分からない。
「あの、昨日の昼休みのことなんだけどさ…」
「あー…」
あの兄妹同じ顔ー?とかいう無神経な発言に対してか、と私はやっと気づいた。
「俺、そんなに深く考えなくてさ…無神経だったよな…」
奏の声は、いつもより小さい。
このまま放っておいたら消えてしまいそうで、
私はもう一度背中を奏に預けた。
「もういーよ、別に。悪気なかったんなら。」
「…ありがと。」
それは仄かに照れたような、上ずった声。
顔見てみたかったなぁバカのバカ面。
クスクス私が笑うと、急に奏の声は真剣身を帯びる。
「でも聞いて?理桜はきれいになったよ、可愛くもなった。謙斗くんには似てるけど、ちゃんと可愛い女の子なんだって思うよ。」
…恥ずかしい台詞をペラペラと…
「ゆっくりでいいからさ、自分の顔、認められるようになろ?」
その声があんまりにも優しかったから、私はそのまま黙って顎を引いた。